システム開発はフリーランスと制作会社どっち?費用の差と選び方【2026年版】
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システム開発はフリーランスと制作会社どっち?費用の差と選び方【2026年版】

12 min read

システム開発の人月単価は、大手SIerで100万〜200万円、中小開発会社で60万〜100万円、フリーランス・個人開発者で30万〜60万円です。同じ3人月の案件が、依頼先によって90万円にも600万円にもなります。

この差は、成果物の品質差ではありません。関わる人数と中間マージンの差です。この記事では、制作会社とフリーランスのどちらに頼むべきかを、人月単価・中間マージン率・体制リスクの3軸で比較します。個人に頼むデメリットも隠さず書きます。当studio自身が個人事業主なので、都合の悪い部分を伏せて選ばれても双方にとって不幸だからです。

この記事の結論

  • 人月単価は大手SIerが100万〜200万円、中小開発会社が60万〜100万円、フリーランスが30万〜60万円。同じ3人月で90万〜600万円の開きが出る
  • 価格差の主因は多重下請け構造。各段階で20〜30%の中間マージンが乗り、二次請けまで経由すると発注額の半分程度しか開発に使われない
  • フリーランス最大のリスクは「1人しかいない」こと。ただしソースコードの引き渡し・サーバーの自社名義契約・ドキュメントの納品の3点を契約時に押さえれば大半は軽減できる
  • 制作会社が向くのは、300万〜1,000万円規模のフルスクラッチ開発、上場企業のガバナンス要件、組織的な引き継ぎが必要な案件
  • 当studioは社内ツール・業務効率化システムを10万〜30万円、部署横断の業務管理システムを30万〜50万円。開発者本人が直接担当し、中間マージンが発生しないため

フリーランスに頼むと、いくら安くなるのか

最初に、いちばん知りたいところを表にします。

比較項目大手SIer中小開発会社フリーランス・個人開発者
人月単価100万〜200万円60万〜100万円30万〜60万円
3人月案件の概算300万〜600万円180万〜300万円90万〜180万円
関わる人数5〜10名3〜5名1〜2名
意思決定の速さ遅い(社内稟議・階層間の調整)中程度(担当と上長の確認)速い(その場で判断できる)
保守体制組織で担保。SLA契約が可能組織で担保。担当者交代あり個人に依存。代替要員なし
向いている案件基幹システム、ミッションクリティカル中規模の業務システム、複数部署横断中小企業の業務システム、社内ツール、スモールスタート

「人月」はエンジニア1人が1ヶ月作業する量を指します。中小企業の業務システムなら1〜3人月、在庫管理や顧客管理のようなものでも3〜5人月に収まることがほとんどです。

ここで重要なのは、必要な工数はどこに頼んでも大きく変わらないということです。3人月かかる機能は、大手に頼んでも個人に頼んでも3人月前後です。変わるのは単価のほうであり、金額差の正体は作業量ではありません。

同じことはWeb制作でも起きています。ホームページ制作の相場は大手制作会社で300万〜1,000万円以上、中小制作会社で30万〜300万円、フリーランスで10万〜150万円です。制作物としては同じ10ページのコーポレートサイトでも、この開きが生じます。内訳の詳細はホームページ制作の費用相場と内訳に分解して書いています。

なぜ同じ機能で価格が3倍変わるのか

差を生んでいるのは、次の3つです。

1. 情報を伝達するための人数

制作会社では、営業が受注し、ディレクターが進行を管理し、設計者が仕様に落とし、実装者がコードを書きます。5名が関われば5名分の人件費がかかりますが、それ以上に効いてくるのが5名の間で情報をやり取りするコストです。

打ち合わせ、議事録、仕様書、確認メール。これらは成果物そのものではありませんが、人数が増えるほど指数的に増えます。実作業時間の3〜5割に達することも珍しくありません。

さらに問題なのは、伝言ゲームによる認識のズレです。発注者が営業に話した内容が、ディレクター経由で実装者に届くまでに細部が抜け落ち、出来上がってから「思っていたものと違う」となる。この手戻りは、そのまま追加費用か納期遅延になります。

2. 多重下請け構造の中間マージン

日本のシステム開発に根強く残る構造です。元請けが受注した案件を二次請けに、二次請けがさらに三次請けや個人に発注していく過程で、各段階で20〜30%が中間マージンとして抜かれます。

600万円の案件で計算してみます。元請けが25%を取ると450万円、二次請けがさらに25%を取ると337万円。ここでようやく実際に手を動かす開発者の予算になります。発注額の約56%しか、開発そのものに使われていない計算です。

発注側から見れば、残りの約44%にあたる263万円は営業活動費・プロジェクト管理費・階層間の調整費に消えたことになります。大規模で失敗の許されない基幹システムであれば、この体制には合理性があります。品質保証と進捗管理のための必要経費だからです。しかし従業員30名の会社の在庫管理システムに、この構造は明らかに過剰です。

3. 固定費の配賦

都心のオフィス賃料、営業部門の人件費、経理・法務・人事といった管理部門のコスト。これらはすべて、案件の見積もりに一定率で配賦されます。制作会社の見積もりに含まれる「諸経費」「管理費」の正体はここです。

人月単価と工数の関係、工程別の費用配分については在庫管理システムの開発費用で、要件定義20〜30%、設計15〜20%、実装35〜45%という内訳まで公開しています。

個人に頼んで途中で止まったらどうなるのか

ここからが、フリーランスに依頼する際の本題です。安さの話だけして終わるのはフェアではありません。

1人しかいないことは、構造的なリスクである

制作会社に発注した場合、担当者が病気になっても退職しても、会社が別の人員を割り当ててプロジェクトは継続します。フリーランスにはそれがありません。開発者が入院すれば、その期間まるごと開発は止まります。廃業すれば、保守も止まります。

これは「気をつければ防げる」種類のリスクではなく、体制上どうやっても消えません。ここを「大丈夫です」と言い切る個人開発者がいたら、むしろ警戒したほうがいいと考えています。

消せないリスクを、影響が小さいリスクに変える

消せない以上、やるべきは止まったときに自社が動けなくなる状態を避けることです。以下の5点を発注前に決めておけば、最悪の事態でも別の開発者に引き継げます。

決めておくこと望ましい状態決めていない場合に起きること
ソースコードの引き渡し開発中も都度引き渡し。著作権は発注者に譲渡開発が止まった時点で中身が分からず、作り直しになる
サーバー・ドメインの契約名義自社名義で契約。管理画面のIDを自社が保有解約や連絡不通でシステムごと消える
ドキュメント仕様書・データベース構成図・環境構築手順を納品物に含める引き継ぎ先が解析に数十万円分の工数を要する
データのバックアップ自社側でも定期的に取得できる手順を確認データが開発者の環境にしかなく、復旧不能
使用技術一般的な技術で構築(特殊な独自フレームワークを避ける)対応できる開発者が国内に数人しかいない状態になる

この5点は、制作会社に発注する場合もそのまま当てはまります。会社が存続していても、担当者が退職し、当時の仕様を知る人が誰もいないシステムが社内に残る、というのはよくある話です。相手が法人か個人かにかかわらず、確認しておいて損はありません。

当studioでは、ソースコードは開発中から都度お渡しし、サーバーとドメインはお客様名義での契約をお願いしています。契約が切れても手元にシステムが残る状態を標準にしています。

実績の見極め方

もう1つのリスクが、技術力が見えないことです。会社であれば会社としての実績が担保になりますが、個人の場合は本人を見るしかありません。判断材料は次の4点です。

  1. 実際に動いている画面を見せられるか。 守秘義務で公開できない案件が多いのは事実ですが、それでも構成の説明や、同種のシステムの試作画面は提示できるはずです。
  2. 技術の選定理由を説明できるか。 「なぜその言語・その構成なのか」に答えられない場合、他人の構成をなぞっているだけの可能性があります。
  3. 要件が固まっていない相談に、質問で返してくるか。 良い開発者は見積もりの前に業務を聞きます。いきなり金額だけ出してくる相手は要注意です。
  4. 納品後の保守条件を明示できるか。 保守費用、対応範囲、連絡手段、レスポンス時間。ここを曖昧にする相手は、運用フェーズを想定できていません。

4点目がとくに効きます。作って終わりのつもりの相手は、納品後の話題を避けたがるからです。

制作会社に頼むべきなのは、どんなときか

自社に有利な結論だけ書いても判断材料になりませんので、明確に制作会社を選ぶべきケースを挙げます。

条件理由
300万〜1,000万円規模のフルスクラッチ開発複数人が並行して動かないと期間内に終わらない。1人では物理的に不可能
上場企業・その子会社での発注与信審査、情報セキュリティ監査、反社チェックなど、発注先要件を満たす必要がある
数年単位で担当者が交代する前提組織対組織の契約でないと、人事異動のたびに引き継ぎが破綻する
24時間365日の稼働保証が必要夜間・休日の障害対応には交代要員が要る。個人では実現できない
官公庁・金融・医療などの規制業種業界固有の監査要件や認証取得が発注条件になっていることが多い
3ヶ月以内に大規模リリースが必要工数を人数で割って短縮する必要がある。1人月の作業を10日では終えられない

とくに1行目と6行目は工数の物理的な制約です。1人でできる仕事量には上限があり、5人月の作業を1人が1ヶ月では終えられません。「早く・大きく」が要件なら、人数を投入できる体制が必要です。

逆に、次のような案件では制作会社の体制がコストに見合いません。

  • 使う人が10〜30名程度の社内システム
  • Excelやスプレッドシートでの管理が限界に来ている業務の置き換え
  • まず小さく作って、現場が使うかどうかを確かめたい段階
  • 業務の変化に合わせて、月単位で細かく改修していきたいシステム

4つ目が見落とされがちです。制作会社では改修のたびに見積もり・稟議・スケジュール調整が必要になり、「ボタンを1つ足す」だけで2週間かかることもあります。直接開発者とつながっていれば、その場で判断してその週のうちに反映できます。

当studioの価格と、なぜその価格でできるのか

当studioは奈良を拠点とする個人事業主で、相談・要件整理・設計・開発・サーバー構築・運用保守まで、開発者本人が直接担当します。営業担当もディレクターも介在しないため、中間マージンが発生しません。

プラン想定する規模費用
トライアルプラン試作・検証用の小規模アプリ〜10万円
小規模プラン社内ツール・業務効率化システム10万〜30万円
中規模プラン部署横断の業務管理システム30万〜50万円
大規模プラン企業向け本格システム開発要相談

Web制作については、ランディングページが5万〜10万円、コーポレートサイトが10万〜20万円、ECサイトが30万〜50万円です。在庫管理システムは基本機能に絞る構成で20万円台から対応しています。

市場相場では業務システムのフルスクラッチ開発が300万〜1,000万円とされますが、その差額の多くは機能ではなく体制コストです。前述の中間マージン20〜30%と、5名分の情報伝達コストが発生しない構造をそのまま価格に反映しています。安く作るために工程を省いているのではなく、省ける費目が最初から存在しないという違いです。

対応できる領域と進め方は業務システム開発、料金の全体像は料金プランに整理しています。

発注前のチェックリスト

制作会社・フリーランスのどちらに依頼する場合でも、見積もりを受け取った段階で次の10項目を確認してください。曖昧な回答が3つ以上あれば、契約を急がないほうが安全です。

費用について

  1. 見積もりの内訳が工程ごとに分かれているか(「システム開発一式」では比較できません)
  2. 見積もりに含まれない作業は何か(データ移行、操作説明、修正対応の回数)
  3. 公開後のランニングコストはいくらか(サーバー費、保守費、改修の単価)

体制について

  1. 実際に開発するのは誰か。下請けに出す場合は何社経由するか
  2. 相談の窓口と、実装する人が同じか
  3. 障害が起きたときの連絡手段と、対応可能な時間帯

引き継ぎについて

  1. ソースコードの著作権は誰に帰属するか
  2. サーバーとドメインの契約名義は自社にできるか
  3. 納品物にドキュメント(仕様書・構成図・環境構築手順)が含まれるか
  4. 契約終了後、別の開発者に引き継げる状態でデータを受け取れるか

とくに4番は、制作会社に依頼する際に必ず聞いてください。「自社で開発します」と説明しながら、実際は下請けに流す会社は珍しくありません。何社経由するかが分かれば、その案件でどれだけ中間マージンが発生しているかを逆算できます。

まとめ

制作会社とフリーランスの選択は、優劣ではなく規模と体制要件の適合の問題です。

  • 人月単価は大手SIer 100万〜200万円 / 中小開発会社 60万〜100万円 / フリーランス 30万〜60万円。同じ3人月で90万〜600万円の差になる
  • 差の正体は中間マージン20〜30%と、関わる人数分の情報伝達コストであって、品質差ではない
  • フリーランスのリスクは「1人しかいない」こと。ソースコード・サーバー名義・ドキュメントの3点を契約で押さえれば、止まっても引き継げる
  • 300万円超の大規模開発、ガバナンス要件、24時間稼働保証が必要なら制作会社を選ぶべき
  • 10〜30名規模の社内システムやExcel業務の置き換えなら、10万〜50万円の範囲で個人開発者に依頼するほうが費用も期間も有利

WebDev Studioは、奈良を拠点に開発者本人が直接ご相談から運用保守までを担当しています。顧客管理システム、画像確認システム、Excel業務のWEBシステム化、外部サービスとのAPI連携などに対応可能です。

「うちの規模だとどちらが適しているのか」という段階のご相談でも構いません。他社の見積もりを見ながら内訳の妥当性を判断する、という使い方も歓迎します。お見積もりは無料ですので、無料相談からお気軽にお問い合わせください。

よくあるご質問

Q.システム開発をフリーランスに依頼すると、制作会社よりいくら安くなりますか?

A.

人月単価で比べると、大手SIerが100万〜200万円、中小開発会社が60万〜100万円、フリーランス・個人開発者が30万〜60万円です。同じ3人月規模の案件なら、大手SIerで300万〜600万円、中小開発会社で180万〜300万円、フリーランスで90万〜180万円が概算になります。作業内容が同じでも、体制の違いだけで2〜6倍の開きが生じます。

Q.なぜ同じ機能のシステムで価格が3倍も変わるのですか?

A.

実際にコードを書く時間はどこに頼んでも大きく変わらず、差の大半は開発以外のコストです。要因は3つあり、営業・ディレクター・設計者・実装者と関わる人数が増えること、多重下請け構造で各段階に20〜30%の中間マージンが乗ること、オフィス賃料や管理部門の固定費が案件に配賦されることです。二次請けまで経由すると、発注額のうち開発に使われるのは半分程度になります。

Q.フリーランスに開発を依頼する最大のリスクは何ですか?

A.

担当者が1人しかいないことです。病気・事故・廃業が起きた場合に代替要員がおらず、プロジェクトが止まります。制作会社なら人員を入れ替えて継続できますが、個人には組織的なバックアップがありません。このリスクは、ソースコードを都度引き渡してもらう、サーバーとドメインを自社名義で契約する、仕様書と構成図を納品物に含める、という3点を契約時に決めておけば大幅に下げられます。

Q.作った開発者と連絡が取れなくなったら、システムはどうなりますか?

A.

ソースコードとサーバーの管理権限が自社側にあれば、別の開発者に引き継げます。逆に、ソースコードが開発側の所有で、サーバーも開発者名義の契約になっていると、実質的に手が出せません。発注前に確認すべきは、ソースコードの著作権の帰属、サーバーとドメインの契約名義、データベースのバックアップの取得方法の3点です。これは制作会社に頼む場合も同じく確認してください。

Q.制作会社に頼んだほうがよいのはどんな案件ですか?

A.

3つあります。1つ目は基幹系のフルスクラッチ開発など、300万〜1,000万円規模で複数人が並行して動く必要がある案件です。2つ目は上場企業やその子会社で、発注先の与信審査・情報セキュリティ監査・反社チェックなどガバナンス要件が定められている場合です。3つ目は自社の担当者が数年で交代する前提で、組織対組織での引き継ぎが必要な場合です。

Q.フリーランスの実績や技術力はどう見極めればよいですか?

A.

確認すべきは4点です。実際に動いているシステムの画面を見せてもらえるか、使用している技術とその選定理由を説明できるか、要件が固まっていない段階の相談に具体的な質問で返してくるか、公開後の保守と改修の条件を明示できるかです。特に4点目が重要で、納品後の話を避ける相手は運用まで想定できていない可能性があります。

Q.小規模な業務システムは、いくらから作れますか?

A.

当studioの場合、試作・検証用の小規模アプリが〜10万円のトライアルプラン、社内ツールや業務効率化システムが10万〜30万円の小規模プラン、部署横断の業務管理システムが30万〜50万円の中規模プランです。在庫管理システムは基本機能に絞れば20万円台から対応しています。市場相場では業務システムのフルスクラッチ開発が300万〜1,000万円とされますが、その多くは体制コストです。

Q.個人事業主に発注する場合、契約や支払いはどうなりますか?

A.

法人相手と同じく、業務委託契約書を交わし、請求書を受け取って口座振込で支払う流れです。個人事業主は法人ではないため登記簿謄本はありませんが、開業届の控えや事業用口座の情報で事業実態は確認できます。取引先の登録要件として法人格を求める社内規程がある場合は、発注前に経理・購買部門へ確認しておくと、後の手続きで止まりません。

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